アンカーボルトソングに感情を破壊されたお話

『アンカーボルトとは、木材や鋼材といった構造部材、もしくは設備機器などを固定するために、コンクリートに埋め込んで使用するボルトのこと。
(中略)コンクリートに取り付けられた構造部材や設備機器が、分離・浮遊・移動・転倒することを防ぐ役割をもつ。』

(Wikipediaより引用)

 

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 目次

 

 

 

はじめに

 3rdLIVE福岡公演day1、告知でついにやってきたアルストロメリアの新イベントシナリオ。翌日にTwitterで公開された予告の時点でまたヤバい内容と恐れ慄き、【薄桃色にこんがらがって】が脳裏をよぎりました。もう許してくれよ

 DAY2の翌日覚悟を決めて視聴するも、【薄桃色】とは別ベクトルのしんどさ、紡がれる感情表現の美しさ、アルストロメリアの尊さにもう本当に感情が崩壊し、狂い、3rdLIVEで涙を枯らしたにもかかわらず声を上げて泣きました。【アンカーボルトソング】は、今までのアルストロメリアの歩みの総集編であり、そこから新しい一歩を踏み出した転換期でもあったのです。3rdLIVEでシャニマスへの愛に溢れていた私の涙腺を破壊するにはあまりにも容易い一撃でした。

 今作は非常に多くの要素が詰まっており、視聴を終えた直後が感情がこんがらがって何も手につかなくなるほど。「これは言語化して整理しないとまずい」と察し、この記事に至ったわけです。またかよ。

 ↓薄桃色を言語化した感想文はこちら

bota-ohagi.hatenablog.com

 

 

※注意

①以下の本文ではカギ括弧について次のように区別しています。

「」……コミュ内、ゲーム内の台詞、またそれに準ずるもの

『』……私が勝手に想像した読み取れる心情や感情表現、その他解釈

②ゲーム内のプロデューサーのことを、敢えて”シャニP”と呼ぶこととします。

本記事には個人の見解が多く含まれているため解釈違い等あると思いますが、どうかご容赦ください

 

 

アルストロメリアとしての今作のテーマ

 

着眼点が大きく変わった、“第2期のアルストロメリアシナリオ”

 今作の注目すべき点は"ツイスタを通して見るアルストロメリア"、すなわち"外から見たアルストの印象"というテーマが主体となっていることです。


 これまで描かれてきたアルストロメリアのイベントストーリーは、ある問題に対してのユニット内(もしくは個人向け)の悩みが中心でした。【薄桃色にこんがらがって】で描かれたのはアプリコットを巡るメンバーのぶつかり合いです。これまで衝突を避けてきたアルストロメリアが、「いい時だけ一緒なんじゃなくて、そうじゃない時も一緒なんだってこと」に気付いた重要なコミュでした。【つなぐ・まごころ・みっつ】でも、【流れ星が消えるまでのジャーニー】でも、大まかに言えば内的要因によるメンバー間もしくは個人の葛藤です。

 【アンカーボルトソング】では対照的に、周囲の人々が抱える不安や指摘に対し、ユニットとして、さらに個人としてどう対応していくかという外的要因による悩みがかなり強調されています。今作中で最も重要な題目の"アルストロメリアが離れ離れになってしまう不安"は、終盤でこそ彼女達自身からも噴出しましたが、主なリソースはファン達のSNS投稿でした。

 そしてファンと同じように、甜花ちゃん達は他の2人のツイスタを見て、同じように悩まされるのです。ファンだけでなくユニットメンバーでさえも、"外から見たアルスト"の情報が頼りになっていました。思えば今作中では、メンバーが一緒にいる時間がほとんどありません。同じ屋根の下で暮らす大崎姉妹でさえも、お仕事の準備や宿題に追われて落ち着く暇がありませんでした。千雪さんのファンが「遠くなっちゃった」と呟いたように、3人それぞれも、互いに生じた距離感に悩んでしまいます。それも、問題の解決は自分たちだけが納得するやり方(【薄桃色】での解決方法)では足りず、外部へ発信し形として示す必要もあったのです。

 さらに言えば、アルストロメリアの永遠の課題でもある"変わること"についても、"内的"だけでなく"外的"な視点が必要でした。以前のシナリオでは、アルストロメリアの3人が"内的"に変わることで問題を解決しました。しかし今作では、"外的"な環境が変わっていく中での"アルストロメリアに要求される変化"によって解決しなければなりません。

 ソロ活動による周囲の変化、ファンが抱く期待の変化。アイドルとして順調に成長したことで新たに生じた外からの課題に合わせて"変わる"ことが必要だったのです。


 【アンカーボルトソング】は、これまでとは全く違う切り口で問題が提起され、その答えも数段難解にレベルアップされた、まさに"第2期のアルストロメリアシナリオ"だったのではないでしょうか。

 

 

時間経過が示す3人の成長

 第6話冒頭、ミニステージへの出演が決まった3人の『ハピリリ』のレッスン風景が描かれます。『ハピリリ』は2018年にリリースされたアルストロメリア1stシングルのカップリング曲であり、現実世界のライブでも多く披露されています。ゲーム内での時間はどれくらい経っているかわかりませんが、千雪さんが「これやった回数、何百回じゃきかないもの……!」と話しており、レッスンと本番を合わせての回数が相当なものになるほど経過していると伺えます。一度合わせただけでシャニPにもう十分と言わせるほど練度が高く、3人のパフォーマンスの成長ぶりが伝わってくるワンシーンでした。

 また、今作では3人それぞれのソロでの活動に焦点が当てられています。コミュ内でも新しいお仕事を次々と獲っているあたり、ユニットとしても、ソロとしても、知名度が相当上がっている様子が窺えます。G.R.A.D.がかなり大きなオーディション番組だったので、そこで優勝したことがお仕事獲得に繋がっているのでしょう。

 G.R.A.D.編を経て3人がアイドルとして躍進し、ひとりでのお仕事をこなせるようになっており、ここまでの時間経過と成長した様子をかなり実感できる素晴らしいシナリオだったと私は断言できます。

 

工事現場とシンクロするアルストロメリアのアイドル人生

 予告の時点から強調されていた点として、工事現場の様子を描写していることが挙げられます。これもやはり今までのコミュには無い本作の大きな特徴ですが、私はこの表現について、アルストロメリアがずっと抱えているテーマである"変わるもの"と"変わらないもの"のひとつの解になっているのではと感じました。書き下してみます。

 

 オープニングとエンディングの回想で、雨の中、工事現場のそばを移動する3人が描かれました。会話からしてこの時の3人はまだデビューして間もない頃だと思われます。慣れないヒールを履き、滑ったり、濡れたりしながら、警備員の指示に従って歩いて行きます。工事は途上段階で、周囲には殆ど人がいません。

 この工事現場は、"新人のアイドル"を表しているのではないでしょうか。未完で、荒削りで、雨を防ぐ屋根もなくて。失敗して躓くこともあります。涙に濡れることもあります。完成するまで、ずっとずっと工事が続くのです。認められるまで、アイドルは七転八倒し続けるのです。

 回想の狭間に、ライブ会場へ向かう現在の3人が描かれます。周囲をファンに囲まれ、余裕の表情で歓声に応える姿は、サポートSSRのイラスト通り輝きに満ち溢れたアルストロメリアと言えるでしょう。工事は終了し、綺麗なアーケードとショッピングモールが完成しています。バラバラに建っていたビルが屋根付きの通路で結ばれて、多くの人が利用する施設へと変わったのです。完成した街角は、まさに"成長したアイドル"、現在のアルストロメリアを指すのでしょう

 

 シナリオのタイトルにもあるアンカーボルトとは、構造物や機構が分離したり、浮遊したりすることを防ぐために埋め込まれるボルトのことです。この工事でも様々な部分で使われているかもしれません。それと同じように、『ソロでの活動が多くなったアルストロメリアの3人が離れてしまわないように』という願いを込めて、このタイトルが付けられたのだと想像できます。

 

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 たくさんの人、たくさんの歓声。離れ離れになるかもしれないという不安を共に乗り越え、多くのファンに迎え入れられた3人は、アルストロメリアの新しい1日目、新しいスライドの1ページを生み出したのです。 

 

 そして、エンディングの一番最後には未だ工事が続くビルが映されています。アルストロメリアの物語はこれで完成ではない、ということです。ずっと大きくなり続ける、ずっと成長し続ける……千雪さんがこっちに来た時、すなわちアイドルとしてデビューしたときから、これから先いつまでも、アイドル達が成長していくことを十分に示唆する演出なのではないでしょうか。

 

 

3人それぞれの視点から徹底考察

 

千雪さんとギャップ、ユニットとソロの間で揺れ動いて

 「お世辞じゃなくそう言っていただけたら」。

 ライブに来ないかと誘われた千雪さんはこう答え、この言葉を聞いたバンドマン達は「いいねぇ」と茶化しつつなおも勧誘の意思を伝えました。

 音楽番組のMCには「わりと言うじゃない?」「もっとおとなしいおねーさんみたいな感じかなって」「アルストロメリアちゃんの印象しかないから」と、ユニットでの活動とのギャップを指摘されています。それでもなお、「もっと出していいよ」「ソロでやるって、そういうことだから」と歓迎されています。

 しかしながら、この番組へのファンの反応は芳しくありません。『アルストロメリアから離れていってしまう』という危惧は、ソロ活動を取り巻く先述の登場人物達とは真逆の感情が込められています。ファンと仕事仲間との間には、千雪さんへの期待の仕方にかなりのギャップがあるのです。

 "ギャップ"。今作の千雪さんのテーマはこの言葉なのかもしれません。

 ファンが寄せる言葉に胸を痛めていた描写がかなり多かったのが千雪さんです。ソロのお仕事に「どういう私でいればいいのか、迷う時があった」とシャニPに相談したとき、”アルストロメリアでの桑山千雪”と”ソロ活動での桑山千雪”に揺れ動いていました。『アルストロメリアのことをいちばんに大事にしたい』という本心は、輝かしい今の自分の活動でさえ不安に感じてしまうほど。

 けれど3人での時間とスライドをきっかけに、ユニットとソロのどちらも大切にすることを選びました。それがやがて、"思い出"の千雪さんも、これからの千雪さんも、応援してもらえることに繋がるのです。

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第3話での番組MCの言葉。エンディングで胸を張ってギラつきを発揮出来たのも、彼のこの言葉に背中を押してもらえたからかもしれません。

 

 

甘奈ちゃんとG.R.A.D.、課題を乗り越えた先の物語

「宿題やってる暇なんてないよー……」

 デモ音源の聴き込み、台本の読み込み、インタビューの原稿チェック。それに加えて、化粧品のプロデュースプロジェクトの勉強に明け暮れる甘奈ちゃん。学校の宿題に手が回らず、夜更かしをする日々が続きます。一見するとネガティブなイメージが先行しますが、ここには3年間を経て成長した甘奈ちゃんの変化が見て取れます。

 

 ひとつ目は、『死ぬ気で頑張る』こと。

 G.R.A.D.編で明かされた"甘奈の嫌なところ"は、『器用貧乏であるが故に何かに全力で打ち込むことができず、越えられない壁に当たるような挑戦をずっと避けてきたこと』でした。甘奈ちゃんはG.R.A.D.優勝という証拠を以てこれを克服し、W.I.N.G.編からずっと抱えてきた課題を乗り越えたのでした。

 ↓参考

bota-ohagi.hatenablog.com

 

 その経験は今作で確実に活きています。未知の分野を貪欲に学び、挑戦し、他のお仕事も含めてがむしゃらに取り組んでいます。一度は案を取り下げられてしまったことで意義を見失いかけますが、甜花ちゃん・千雪さんとの会話やファンのスライドをきっかけに立ち直り、サポートSSRコミュ内で見事にやりたいことを成し遂げました。G.R.A.D.以前の甘奈ちゃんだったら"越えられない壁"だと認識して折れてしまっていたかもしれません。これまでの歩みと成長がたしかに感じられるコミュでした。

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初めての試みに臆すること無く誓った強い決意は、甘奈ちゃんの成長を大いに感じる瞬間でした。

 

 ふたつ目は『弱音を吐けるようになった』こと。

 ファン感謝祭の頃の甘奈ちゃんは、シャニPどころか甜花ちゃんや千雪さんにもほとんど悩みを打ち明けることができず、足を挫いてシャニPから促されるまで自発的に動くことができませんでした。G.R.A.D.編で「これ以上は踏み込まないでほしい」と予防線を張ったり、【薄桃色】で千雪さんに本音を言えなかったり……と何かと抱え込みがちです。

 しかしこれまでの多くの経験の中でそんな自分を受け入れて、甘奈ちゃんは少しずつ"声が出せる"ようになっていきました。イベントコミュでは甜花ちゃんに、サポートSSRコミュでは千雪さんに。第5話で「ごめんねっ ありがと、聞いてくれて」と甜花ちゃんに話す様子は、「悩んでるなんて、知られたくない」と怖がっていたG.R.A.D.の頃から随分と変わりました。不穏な間や演出は特に設けられず、すんなりと気持ちを吐露できるようになっている様子は、以前の躊躇いを克服した姿そのものだと感じられます。

 

 

甜花ちゃんとアルストロメリア、時系列で紐解く今作の本質

 【アンカーボルトソング】の主人公は甜花ちゃんと言っても過言ではないでしょう。第6話にて描写された、非常に珍しい彼女の胸中の本音は誰もが震えたに違いありません(クソデカ主語)
 3人の中で最も一人称視点の描写が多く、その思慮深さと聡明さが克明に表されていた甜花ちゃん。ここからはある程度時系列に沿って、甜花ちゃんの心情変化を追いつつシナリオ全体に触れていこうと思います。

 

第1話~第2話

 千雪さんの歌番組司会への抜擢、甘奈ちゃんの化粧品メーカーコラボ。ふたりの活躍する様子をツイスタでチェックする甜花ちゃん。そんな彼女にもラジオMCのお仕事があり、ディレクターに「甘奈ちゃんをゲストで呼べないか」と提案されます。
 本当はゲストに来てほしいけど、「たぶんすごく大事な仕事だから」と気遣って保留にする甜花ちゃん。自分も大変なのにとディレクターに謝られると、「甜花は、ダイジョブ……です、全然――!」「大変なの……千雪さんとなーちゃん、だから……」と気丈に振る舞います。お姉ちゃんらしい一面が垣間見えるとともに、やはり2人(+ディレクターさん)を気遣う優しさが伝わってくるシーンです。

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 その後、自身がバラエティ番組にレギュラー出演できることをシャニPから伝えられます。シャニPの「無理させるだけになるなら…」という危惧に対しては、千雪さんと甘奈ちゃんが大変ながらも楽しそうに仕事をしていることを挙げ、「(甜花も)やらなきゃ……」と呟きます。「綺麗だった」「まだ見たことない感じに」というセリフからは2人への憧れが読み取れ、『自分もそうなりたい』という強い気持ちが伝わってきます。今思うと、この時点から『2人が遠い存在になってほしくない』という焦りが少しだけあったのかもしれません。

 

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 また、甜花ちゃんはこのタイミングで、『なーちゃんにラジオのゲスト出演をしてほしい』と打診するつもりでした。ディレクターに「プロデューサーさんに聞いてみる」と言ったのに聞かなかったのは、この話を受けて『なーちゃんも自分と同じように頑張ってるから、迷惑をかけられない』『プロデューサーも忙しいのに、手間を取らせてしまうかもしれない』という感情が湧いたからだと考えました。というのも後者については、何かと鼻が良いシャニPは、『なんでもない』と答えれば必ず不審がることが目に見えているからです。問いただされても言わずに解散し、後々問題が起きれば、悩みを聞き出せなかったシャニPに非があることになってしまいます。だから甜花ちゃんは『なんでもない』ではなく「忘れちゃった」と答えたのだと思います。"忘れた"と言えばそれ以上深く言及されることは無いし、原因の元を自分自身に設定できるからです。甜花ちゃんの気配りと聡明さが滲み出ている瞬間だったのではないでしょうか。

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逡巡してから「忘れちゃった」と答える表情には、どこか寂しそうな雰囲気さえ感じられます。

 

第3話

 冒頭、甘奈ちゃんの仕事についての話をしている甜花ちゃん。頃合いを見計らい、目を泳がせつつ、なんとかラジオの招待をしようと試みましたが、明日の準備をすると言った甘奈ちゃんにそれ以上強く申し出ることができませんでした。

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言いかけた言葉は甘奈ちゃんに届かず、結局招待の話は出来ませんでした。

 ここでも甜花ちゃんはちょっぴり嘘をつき、「ラジオ、楽しかったよ」と言いかけた言葉の続きを偽ります。本当は呼びたいけれど、忙しそうな甘奈ちゃんを目の当たりにすると、やはり憚れるのでしょう。さりげなく本心を隠しつつ別の話題に移ろうとする様子は、やはり頭の回転の早さが窺えます。

 

 その後、先述したバラエティ番組の様子が描かれます。甜花ちゃんは非常に良い味を出しており、共演者との掛け合いも中々の出来です。W.I.N.G.の頃は引っ込み思案で、CDを宣伝することに緊張してしまったり、お芝居で上手く声を出せなかったりと、独りでお仕事をすることにかなり不安を抱いていた甜花ちゃんですが、初対面だったにもかかわらずしっかりとしたコミュニケーションを取って収録を成功させていました。甜花ちゃんの成長が良く表れており、しっかりお仕事をこなせるアイドルになっているんだという強さを感じさせます。

 第3話の終わり際、ツイスタをチェックしている最中にファンの嘆きを目撃してしまう甜花ちゃん。「……そ、そういう意見も、ある……!」と困惑しながらも言い聞かせる姿は、普段からネット慣れしている甜花ちゃんらしさが窺えるシーンです。

 このときに件のスライドを発見しますが、これについての言及は後ほど。

 

第4話

 ここからかなりシリアスな流れになってきます。
 宿題をやる暇が無いほど色んなものに追われている甘奈ちゃんに、ミルクティーを作って持っていく甜花ちゃん。部屋に入った途端、甘奈ちゃんの愚痴を聞いてしまい、言葉に詰まってしまいました。

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 この場面、甘奈ちゃんの態度の変わり様も中々に趣深いです。独りのときは焦りや苛立ちさえ感じていますが、甜花ちゃんに気付くなり彼女を労る姿勢を全面に出しています。本当に甜花ちゃん想いの優しい子です。

 そんな甘奈ちゃんの「かわいー甜花ちゃんをもっとみんなに見てもらわないとダメなんだから!」という言葉を受け取った甜花ちゃんは、直前まで渡そうとしていたミルクティーを自分のものだと偽ります。素直に嬉しいのと同時に『これ以上頑張れって言えない』『なーちゃんの好意を無下に出来ない』と思ったのではないでしょうか。

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かろうじて明るい口調で話したのち、部屋を出るなり寂しそうなな顔を浮かべる甜花ちゃん。

 せめぎ合う感情の中で部屋を後にする甜花ちゃん。真っ暗な画面の中、フーフーとミルクティーを冷ます甜花ちゃんの息と、ミルクティーを啜る音が響きます。寂しさ、もどかしさが痛いほど伝わってくるシーンです。


 もどかしさは焦りに変わり、思いが空回りし始めます。甘奈ちゃんと千雪さんに掛け合ってスケジュールの合間を縫い、集まる時間を作りましたが、甘奈ちゃんは打合せ準備で上の空、千雪さんは仕事の電話に追われ、ゆっくり腰を落ち着けて話をすることもできません。

 さらに甜花ちゃんは仕事の時間を間違えており、自ら用意した大事な時間を自らの手で壊してしまいます。【薄桃色】で機転を利かせて、トレーナーを会場に向かわせるよう手配していた甜花ちゃんとは大きな違いです。

 雨の中、工事現場のそばを走る甜花ちゃん。足を滑らせないのは成長したことを示唆しています。しかし、途中で解散してしまった集まりについて、「前とは……違うって感じ、だけ……残った……」と言及します。そして鳴り響く工事の音。

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3人の集まりについての呟きですが、工事現場の様子にもシンクロしているように思えます。


 工事現場、つまりアルストロメリアの3人は"変わって"はいませんでした。ただ前とは"違って"いるだけで、事態は好転していません。

 "change"と"differ"。どちらも自動詞ですが、後者には状態を単純に指し示すだけというニュアンスがあります。ひとりひとりソロのお仕事に打ち込めるようになるほどアイドルとして活動できるようになったけど、集まっても心がバラバラな3人は、アンカーボルトがまだしっかりと埋め込めていない状態です。だから、最初に工事現場に来たとき(アイドルになった直後)とは確かに違う("differ")けど、3人の現状と距離感は、本質的な解決("change")まで至っていません。甜花ちゃんの一言には、こんな意味が込められているのではないかと深読みしてしまいました。

 

第5話

 バラエティ番組収録後に、駆け出しモデルから再びツイスタ用の写真撮影を頼まれます。『アルストロメリア以外の人が映っているとファンの心がざわついてしまう』という千雪さんの危惧が頭をよぎり、『匂わせ』をすべきでは無いことも理解していますが、そのまま応じてしまいます。断ろうと思えば断れたのでしょうが、『番組を成功させるチームの一員』である以上雰囲気を壊すことは出来ません。甜花ちゃん自身は「流されて」と言っていますが、個人的には、お仕事として関わっていくうえでのプロの精神が根底にあったのではと思います。

 しかしながら、その直後の甘奈ちゃんとの会話のシーン。甘奈ちゃんの『頑張らなくちゃ甜花ちゃんたちみたいに輝けない』と言われ、原因がそのツーショットにあったと知ったとき、甜花ちゃんは「……やめてもいい、……ツイスタ……」とさえ話してしまいます。

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 それはファンに向けて、甘奈ちゃんに向けての気遣いでした。大事なものを守るためなら、自分が失うものがあっても構わない。優しいが故の自己犠牲に近い考え方は、【薄桃色】のゴリラの件を彷彿とさせます。

 その後、スライドを見たふたりはミルクティーを温め直して話し合います。気持ちの乖離の理由のひとつに、『お互いがお互いのことを遠く感じてしまっている』とわかったからです。『甜花(甘奈)はなーちゃん(甜花ちゃん)みたいにすごくない』という考え方は、アルストロメリアという輪から自分が外れてしまう錯覚に陥ってしまいます。"3人のアルストロメリア"を、"ファンが大好きなアルストロメリア"を守るために、甜花ちゃんは「なーちゃんのこと……すごいって……思ってるよ……」と伝えたのではないでしょうか。『甜花がダメ』と孤立するのではなく、『なーちゃんみたいになりたい』と伝えて寄り添うこと。それが甜花ちゃんにとっての"変わったこと"なのかもしれません。

 

第6話

「ずっと、このまま……いるなら……」
「ずっとこのままじゃ……いれない……」


 予告の時点で明かされていた甜花ちゃんの特徴的な呟き。正直、非常に抽象的なため解釈が難しいのですが、自分なりの考えを書いてみます。
 「いろんなものが変わっていくから」という千雪さんの言葉と、スライドの中の"思い出"のアルストロメリア。日々変わり続ける日常の中で切り取られた"思い出"は、その時点で保存され、永遠に変わることがありません。だから今のアルストロメリアは、"思い出"に負けないために変わり続ける必要があるのです。

 甘奈ちゃんと甜花ちゃんの「このまま」という言葉は、ある一瞬でのアルストロメリアを指すのではないでしょうか。それは工事現場のそばを歩いている第6話時点の3人のことであり、スライドの中のアルストロメリアのことでもあるという仮説です。

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 「ずっとこのままでいたい」という甘奈ちゃんの言葉は、ファン感謝祭の「いつまでも今が続けばいいな」というセリフと若干似てはいますが、心境はかなり違ったものになっています。今の甘奈ちゃんは、未来を怖れることなく進んでいこうという意志があります。"思い出"の中のアルストロメリアが続いてほしい、だから変わっていかなくちゃという気持ちがあるように思えます。

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 先に述べた甜花ちゃんの言葉は、『みんなが大好きなアルストロメリアを守り続けるためには、"思い出"の中に留まっているだけではいられない』という意味が込められているのではないでしょうか。現在のアルストロメリアを見て寂しいと思っている人たちに、以前と同じような幸せなアルストロメリアを見せるためには、周囲の環境に適うように"変わって"、新しい姿を見せる必要があるのです。

 

 そしてこの言葉は、甘奈ちゃんと千雪さんに向けた甜花ちゃんの本音でもありました。

 

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「変わらないでって……遠くに行かないで……って………」

「今、思ってる人が……いるから……」
「甜花が、そう思ってる……」


 ファンと同様に、いやファン以上に、甜花ちゃん自身もふたりに対して"離れてしまうことへの恐れ"を抱いていたのです。

 か細く震える声が寂しさを物語っており、痛々しいほどの感情が伝わってきます。せっかくの集まりを仕事のために解散しなければならなかった雨の日に無言で走っていたときも、甘奈ちゃんにミルクティーを渡せずに自分で啜っていたときも、きっと同じ寂しさを抱いていたことでしょう。一緒に居たい気持ちを伝えられず、輝き続けるふたりをツイスタで眺めてもどかしくなっていたのでしょう。

 未だかつて、甜花ちゃんがここまで本心を露わにしたことがあったでしょうか。ファン感謝祭編や【薄桃色】ではみんなをサポートする側に回っていて、弱音を見せることがほとんど無かった甜花ちゃんが、です。これまでの有能すぎる行動の裏で、実はずっとこのような寂しさや不安を抱えていたのかもしれないと考えると、より一層甜花ちゃんの"強さ"が分かる気がします。

 これらの言葉は内心のみで、口には出していないようです。すんでのところで踏み留まったのは、ふたりを心配させたくないという甜花ちゃんの最後の意地だったのかもしれません。それだけ甜花ちゃんはふたりのことが大好きなんだろうなぁ、とひしひしと感じるシーンでした。

 

※私の本音を少しだけ話させてください。ここのシーンはほんとうにむりになりました。まじでむりです。弱々しく感情を吐露する甜花ちゃんを見るのががあまりにもしんどくて号泣しました。ずるいです。死ぬに決まってる。この演出考えたやつ許さない。ありがとう。きっと甜花ちゃんはこれまでもずっと不安や焦燥を感じながら必死に頑張ってきたんだろうなということを想像するとホントしんどくて、だからこそ頑張っている様子と成果が嬉しくて、ずっとずっと応援したいって思いました。ありがとう。

 

Extra:シャニPとアルストロメリア

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これまで通り、3人で一緒に輝いてほしい

 

 千雪さんとの会話で発したシャニPの言葉は、アルストロメリアの現状に対してまさに誰もが抱いていた本質的感情でした。この時点でシャニPのアルストロメリアに対する理解度の高さが窺えますが、その後すぐに3人一緒でのミニステージとレッスンを設定します。「それぞれの仕事に向き合ってほしかったから一度は断ろうとした」という点から、3人のこの先(ユニットと、アイドルひとりひとりとしての活躍)を見据えたプロデュースを行っていること、負担や体調への気遣いが窺えます。しかしこのタイミングでの3人一緒のお仕事は、アルストロメリアがお互いに向き合い、ファンにも向き合うためにも必要な時間でした。多少無理なスケジュールでも取るべきだろうと決断したシャニPの判断は大正解と言えます。

 そして、先述した『ハピリリ』の合わせ練習で、シャニPは3人が一回合わせただけで「もう十分だ」と褒め、「今しかできないこと やってほしい」とオフの時間を設けました。ずっと離れ離れだった3人が久々に時間をとって遊ぶことができ、3人一緒にいることの素晴らしさと大切さを再確認でき、ファンに"匂わせ"をすることができました。結果的に今作での好転の機となったこの一幕ですが、シャニPは『ハピリリ』の合わせ練習が一発で終わることを最初から分かっていたのではないでしょうか?今の彼女たちなら何百回も踊ったダンスを合わせるくらい容易いことを、プロデューサーの彼なら承知していてもおかしくありません。そして、第4話で甜花ちゃんとの(仕事の)待ち合わせによって、3人の貴重な集まりの時間を壊してしまったことを甜花ちゃんの様子から悟って知っていたのでしょう。仮に、初めから合わせ練習の時間を最低限に取って残りをオフとする設定をしたら、何かと忙しい3人はそれぞれの仕事のための予習やレッスンを自主的にしてしまうかもしれません。もう一度、3人で向き合う時間をちゃんと設けるために、敢えてオフの時間を伝えずに召集して、「3人のやりたいこと」を自然と促したのではないでしょうか?

 

 今作でのシャニPの登場頻度はこれまでのシナリオコミュと比較しても少ない方に入ります。アルストロメリアを存分に楽しめることができて満足度が高い上に、最少限の働きで最大限の働きを見せたシャニPの有能さが際立つ素晴らしいコミュだったと思います。

 

 

演出面から見る【アンカーボルトソング】の裏側

ファン制作のスライドはシャニマスユーザーへ向けて作られた?

 甜花ちゃんがふと見つけた、"アルストロメリアの思い出"。「俺の好きだったアルストロメリア」「メモリー」という文言が添えられていたこのスライドでは、これまでのアルストロメリアの活動が回想のように流れていきました。3年間の歴史の中で紡がれた数々の感動の物語を想起させるものも多く、今作の涙腺破壊ポイントのひとつだったと思います。

 スライドの中身はシャニマス時空内でのアルストロメリアのお仕事にまつわるものと考えられます。しかしながら、そのうち幾つかは明らかにファンには知り得ない情報が混ざっています。

 確認できた背景は以下の通り。

・カフェ
・夏祭り
・教会
・河川敷
・バス内

 強いて言えばバス内なら【完録、クエストロメリア!】のロケ中にカメラマンが回していた可能性はあります。しかしそれ以外ではこれまでのシャニマスで描かれていたお仕事に思い当たる節が無く、どの場面を指しているのか照合することが困難です(あるいは私がパッと思いついていないだけです、分かる方はぜひお知らせ下さい)。特に河川敷は明らかに【薄桃色にこんがらがって】を指す背景であり、ファンの目に触れることは絶対に無かったはずの景色です。カフェの背景もファン感謝祭編の冒頭を指しているとしたら、また夏祭りは【つなぐ・まごころ・みっつ】を指しているとしたら、やはりテレビやSNSでは映るはずのない景色でしょう。教会……どこ……???

 それでは、これらの背景は何故スライドに使用されたのでしょうか?コミュの進行上、このスライドはアルスト3人のお仕事の様子を表すものという体の存在です。同時に、画面の外の私達シャニマスユーザーにも、「あ、これはアルストロメリアの過去の回想だな」とセリフ無しでも理解できるようなものでなければなりません。しかし、私達がこれまでシャニマスで見てきた景色は、アイドルの誰か、もしくはシャニPの視界を通じて得られた情報であり、そのほとんどがお仕事では無いときの時間です。シャニマスユーザーの"思い出"は、ゲーム内のファンと大きく乖離しています。スライドは、アルストロメリアの"思い出"を作中で表現するため」「アルストロメリアの歩みをシャニマスのユーザーに意識させるため」の2点を両立させる演出だったのではないでしょうか。ゲーム内の人間、ゲーム外の人間、双方が即座に"思い出"を認識できるような素晴らしい演出だったと思います。

 

(追記)教会のシーンは【完録、クエストロメリア!】のエンディングでした。

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Auto進行・イヤホン推奨!聴かなければわからない"音"の演出

 3年目(ノクチル加入時期)以降随所に見られるようになったSE・BGM・ボイスの演出。ボイスについては、テキストが無い時だけでなく、誰かのセリフに被せて違うアイドルが発言することがあったり、意図的にテキストを載せなかったり……と、多岐にわたる演出が展開されるようになってきています。また、BGMに楽曲を使用する傾向が強くなってきており、SEの多様さも最近になってかなり加速しています。特に今作ではその演出が心情表現に直結するほど意味のあるものになっており、まだ読んでいない人には飛ばさずにAUTOでイヤホンで聴いてほしいほどです。

 ひとつ目は、甜花ちゃんとミルクティーに関するもの。先述したように、この演出は甜花ちゃんの密かな寂しさを表現したものです。本来甘奈ちゃんに渡すはずだったミルクティーを、部屋に戻って独りで飲む甜花ちゃん。画面は真っ暗でテキストも無く、セリフもありません。音を聴いていなければ全く気付かないこの演出は、直接描写してしまうと表情がはっきりわかってしまい、情景に深みが出ないためではないかと考えました。視覚的情報を与えず、息と音だけで状況を読み手に想像させ、その寂しさが印象深いものになるように仕向けているのかもしれません。

 ふたつ目は、第6話のシャイノグラフィBGMです。離れ離れになりかけたアルストロメリアが元に戻るため、シャニPの提案で『今しかできないこと』に出掛けた3人の描写の際に突然流れ出しました。

 個人的な見解ですが、この曲はシャイニーカラーズのこれまでの軌跡とこれからの期待をGradation(移り変わり)というテーマに沿って描いているものだと考えています。ここまでのアルストロメリアの活動で積み上げてきたもの(スライドの内容、ソロ活動)を受けて、これから新しい未来を作っていこうとする3人の感情にあまりにもピッタリ当てはまるのではないかと感じてしまいました。特に1番の『たぶん一緒に居るだけじゃダメなんだ』という歌詞が【アンカーボルトソング】の展開そのものを表しているように感じてやまないのです。選曲とタイミング、全てが噛み合っている素晴らしい演出だったと思います。

 

 1年ほど前に、Twitterで「フルボイスのゲームシナリオ、オートだと遅いからタップして飛ばしながら読むようになった」という書き込みを見たことがあります(シャニマスじゃなさそうだった)。現代のソーシャルゲーマーの時間不足に反比例して得るべきテキスト情報が膨大であるために、それを知るだけなら飛ばし飛ばしでも文字を認識できれば良いという切実な訴えです。自分もこの意見にはやや肯定派で、実際疲れている時はボイスの途中で切ることも少なからずありました。

 しかしシャニマスに関しては、テキストのような視覚的情報だけでなく、聴覚的情報も含めてひとつの作品なんだなということを強く実感します。時間はかかるけれど、文も声も音も全部ひっくるめて芸術なんだという、ゲーム制作陣の意地なのではと感じるほどです。だからこそ、シャニマスのコミュはこんなにも素晴らしいんだ、と自分は声を大にして伝えたいです。

 

 

文学的構成が魅せる芸術性

 今作の特徴のひとつに、プロローグとエンディングに同じ内容の描写が使われていることが挙げられます。これは小説でよく使われる技法で、全く同じ文章で違う意味を表したり、終わり方に余韻を持たせたりするために用いられることがあります。

 プロローグでは回想と現在の対比だけでしたが、エンディングでは未だ建設中のビルの様子が追加されています。それまでの対比でアルストロメリアが過去も現在も大切にしていることを再認識させたうえで、これからの未来への希望も描いているのです。工事現場とアイドルという印象的なシーンがさらに際立っており、読み手の記憶に残りやすい表現となっています。

 その後、甜花ちゃんがビルのパシャリと写真を撮ってコミュが終了します。写真の中の"思い出"は永遠ですが、再び足を運んだ際にはまた違った姿で工事を続けていることでしょう。成長していく途中の、その時点までの"思い出"を切り取る……アルストロメリアの成長を描いたコミュの終わり方としてこれ以上無いほど完璧で美しいエンディングです。

 ホーム画面でのイベントバナーも、ファンが撮影した様子を表現するように【ever-】がスマホ画面に収まっています。【アンカーボルトソング】自体が既に"思い出"になり、かつ、『伸びるビル』のようにアルストロメリアの物語がこれからもずっと続いていくことを示唆しているのではないでしょうか。

 

 コミュ構成でも唸らせてくるシャニマスは、一種の文学作品とみなしても良いほど良質で素晴らしい物語を提供してくれます。それも高山Pをはじめとするゲーム製作陣と天才ライター陣の尽力のおかげです。どうかこの良さが今後も続いてくれることを願うばかりです。

 

 

おわりに

 ここまで読んで下さりありがとうございました。

 あくまで私の考えなので見当外れなことを言っている可能性もありますが、こんなに読書感想文を書いちゃうくらいには刺さってしまいました。もしご意見等あれば交換したいので、ぜひコメントやTwitterで言及していただければ。

 3rdライブツアー最終日、シャイニーカラーズの、アルストロメリアの集大成を目撃しました。その翌日にこんなコミュを観てしまったら、もうおしまい人間です。

 

 『ダブル・イフェクト』や『Anniversary』の歌詞を想起させる言葉も散りばめられていましたし……………

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 福岡初日の芝崎典子さんの挨拶はもはやこのコミュのことを指しているようなものでしたし…………

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【つなぐ・まごころ・みっつ】第5話より

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【薄桃色にこんがらがって】プロローグより

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【アンカーボルトソング】第5話より

”3人でアルストロメリア

 離れててもつながってる。一番大事なものはきっと変わらない。

 これまでの歩みも、これからの未来も、決して散ることのないメモリーなんです。

 そんなアルストロメリアの物語を、これからもずっと追い続けていきたい。そう強く思える素晴らしいイベントシナリオでした。

 

 ありがとう、アルストロメリア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

p.s. 【ever-】第2コミュ『アマイ永遠』初見時↓

 

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無理でしょあんなの。

 

ボタ餅