二次創作好きの妄想癖オタクがついに本を出してしまったお話(裏)

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ほ ん へ

 

 

<<<<<注意>>>>>

この記事はボタ餅という人間の率直な考え方だったり内面的な話(ちょっと醜い部分もある)だったりを赤裸々に書き綴った駄文です。歌姫庭園参加に至る経緯だけ知りたい方は「(表)」の方をご覧ください。

bota-ohagi.hatenablog.com

 

 

 

 

 

目次

 

完走した感想

 改めて、歌姫庭園29お疲れ様でした!

 シャニマスのサークルが過半数を占めるという過去に類を見ない盛況ぶり。お名前を拝見したことのある方やFFの方などもたくさん参戦していてまさにスマブラSPのようなお祭り騒ぎでした。初参加ながらこの場に立ち会うことができて心から嬉しいです。

 まずは初参加の視点から、率直に思ったことを書き連ねていきます。

 

忙しすぎる

 忙しすぎませんか???????????

 よくTLで「原稿終わらない」と悲鳴を上げる方を見ていて、「作品を描くって大変なんだなぁ」とか思っていたんですけど、

 本文書くのは大前提で、申込だったりサクカだったり印刷だったり依頼のやりとりだったり入金だったり設営準備だったり……

 やることが……やることが多い……!!

 今回は初参戦なので念には念を入れて半年かけて準備してきたのですが、それでも大変でした。しかも原稿は3分の2出来ている状態(既作の再録なので)からのスタートでこのザマです。歌姫やらコミケやら毎回参加して毎回新刊出してる方々バケモンですよ……今まで以上に崇め奉ります……。

 数年前にTwitterで見かけたこの言葉が、この期間常に頭をよぎっていました。

「同人誌を書くコツ! ①正気を捨てます

 本当にその通りだと思います。

 貴重な休みを使って絵を描きor字を書き、寝不足になりながらも締切と戦い、それでもなおほとんどのサークルは赤字なのです。もちろん私もそう。

 え? それ楽しいの?

 

めッッッッちゃ楽しかったです。

 

 自分が生み出したものがこの世にカタチとなって現れて、それをいろんな人に読んでもらえて、喜んでもらえるんです。そもそもお話を書くことが好きなんです。しかも自分のその考えたシチュエーションが神絵師様によって絵となって顕現するんです。こんなに嬉しくて楽しいことはありません。

 そのためならどんなに辛くても耐えられるし、いくらでもお金を注ぎ込みたくなりますよ、ホントに。

 ちなみに、こちらからの発注と出て来たものを見比べてみましょう。

 

↓出したもの

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↓出てきたもの

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顧 客 が 求 め て い た も の

 

 「イラストレーターってスゲェ……」ってなりますよね。私が絵師さんを崇拝する理由です。何を食べたらこんな神絵描けるんでしょう……本当感謝しかありません……。

 

自信が無くなる

 嬉しくて楽しいとは言っても、書いている最中は苦しみもがく日々でした。

 (表)でも話しましたが、第三章の『金剛石は何度でも』は、本来終わったはずの物語の蛇足にもう一本蛇足をつけたものです。蛇がムカデみたいになっちゃう

 ……めちゃくちゃ悩みました。ここまで難産だったのは初めてです。何度も書いて消してを繰り返して、「自分はいったい何が書きたいんだろう」と自問して。やっとの思いで書き終えた初稿は表現や文法がもう酷くて酷くて、添削してもらうと修正が多すぎて心が折れかけて。「こんなクソみたいな文でよく歌姫出ようと思ったな」って自責の念に駆られて、自分の作品にどんどん自信が無くなって。

 そしたら、既作の2本についても、実はしょうもない文で、到底本として出せる代物じゃないんじゃないかって過去の自分を否定し始めてしまって。「やっぱり、自分なんかが出る資格無いのかな」って、一度は欠席まで考えてしまいました。

 でも、添削してくれた友人、タイソンさんにすごく励まされたんです。

「きっとみんな通る道だと思う」
「俺がやってることは粗探しみたいなものだから、表現者として自信を持っていかないと」
そもそも仕上げただけで偉い

 言葉ひとつひとつに、救われた思いになりました。でも「本出さなかったらお前ンチにストゼロ5箱送りつけるぞ(住所ほぼバレてる)」とも言われました………

 さらに、表現に対する私の意図と一般的な解釈とを擦り合わせるために、何時間も通話に付き合ってくれて、細部までみっちり話してくれて……

 そうやって完成した新作は、自分でも会心の出来だと思えるくらい自信を持つことができました。添削のおかげで自分の書き方の弱点も理解することができ、既作の2本のリメイクもかなり満足するところまで出来ました。改めて感謝の意を伝えたいと思います。でも百合豚煽りはやめて?


今までの経験が活きた

 具体的に言えば↓これなんですが、

bota-ohagi.hatenablog.com


 このときにやってたことがメチャクチャ役立ちました。

 イラスト担当は同じくYUMiさんですから、絵の雰囲気はもう知っていますし、見知った仲なので話し合いも詳細にみっちり交わすことが出来ました。

 ポストカード印刷も、設営用のグッズも、当時と同じお店を利用しています。ここに何があるっていうのを知っていたために、ゼロから探さずに済んで準備を滞りなく進めることが出来ました。ちょうど仕事で忙しい時期だったので、ロスタイムが少なく出来たのは僥倖。

 やっぱり、挑戦することって大事なんですね。成功しようが失敗しようが、確実に、次に活かせる。やれることの幅が広がっていくのは素直に嬉しいです。

 

一般オタクなのに……

 歌姫庭園が近くなって宣伝ムードになってきた頃、神絵が流れるTLで「良!!!」ってなってRT&いいね&フォロー飛ばすじゃないですか。神絵師に。

 

『○○さんにフォローされました』

 

 !?!?!?!?!?!?!?

 返ってくるんですよフォローが……しかも複数の方々から……

 自分からしたらクリエイターさんは神に等しい存在ですから、自分みたいな底辺字書きがフォローされるとは微塵も思ってないんです。ほんとに。

 アカウント名に「歌姫庭園29_シャ11」って付けてたからだと思うんですけど、コレなかったらホントただの一般限界底辺クソオタクですからね……

 普通だったらフォロバなんてありえないようなことなのに、いただけるなんて……恐縮です……大変恐縮です……

 参加するとこんなところにも変化出るんだなって驚きました。

 素晴らしい方々にお近づきになれるなんて凄く嬉しいです。ありがとうございます。普段のツイート見苦しかったらすぐ切ってくださって構いませんので………。

 現地でも「え!? 自分が、自分がスペースの中にいる!?」って常時なってたし、新刊交換バトルさせてもらえたし、作家さんたちと話せる機会増えたし……サークル参加ヤベェってずっとドキドキしてました。たぶんアグネスデジタルってトレセンいるときこういう感情になってるんだろうなぁって実体験した気分ですミホライを書け?それはそう。脅されたら書きます

 

輪が広がる

 前項と少し似ているんですけど、作家さんたちとの交流が今までと比べ物にならないくらい増えました。今まで雲の上の存在のようだったのが、Twitterでリプ返せたり、通話でお話できるようになったりするレベルに。嬉しい……

 1年半前から所属していたDiscordサーバー『283 Production クリエーター部』にもボイス実装できるようになりました。今まではろくに作って来なかったから通話入るべきでは無いかなとばかり考えちゃってたので……自信無くて……

 蓋を開けてみれば、皆さん優しくて面白くて、しかも創作者だからこそのキャラクター愛や理解があって、話してて本当に楽しい……!

 自分にとって新境地が拓けたような気がして、頑張って参加した甲斐があったなと実感しています。

 

メロブから委託紹介が来た

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マジ?????????????

 

 多分今回歌姫出てる人に一律で連絡来てると思うしうぬぼれるなって話なのですが、それでも。

 自分の作品が、"取り扱うに値する作品"と認められた気がして、すごく嬉しいです。

 会場に来られなかった方も、よろしければこちらからお求めくださいお求めできるはずでした。

www.melonbooks.co.jp

 

委託1日で完売

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マジ!?!?!?!?!?!?!?

 

 滅茶苦茶にビックリしました。ホントに。

 事前に通販で欲しいとおっしゃっていた方は3人ほどだったので、大半は1年くらい残るだろうって思ってたんですけど……まさか1日で全部無くなるとは……(この記事書いてる最中に売り切れました)

 泣くほど嬉しかったです。自分の作品、ちゃんと需要あったんだな、って。大崎姉妹について尊さを共有したいので感想お待ちしています。語り合いたいです。ぜひ。

marshmallow-qa.com

 

新作執筆の裏話

 せっかくなので、新作『金剛石は何度でも』についての裏話を少しだけお話しします。大きなネタバレはありませんが、匂わせだったり私なりの解釈を書いていますので各自自己責任でお読みください

 

 

 

 

"蛇足の蛇足"を、"メインストーリー"へ

 前節で触れたムカデもどきの処遇について。完成したはずの物語に余計な付随物なんて興醒めになってしまいます。だからこそ、"オマケ"にならないように、既に付いた蛇足をも引き立たせてメインに昇華させるかのように、完璧な最終章を書き上げる必要があると感じていました。

 私の書き方はおそらく特殊で、思い付いた場面をスマホのメモ帳に書き殴って、それぞれの原案を膨らませて文章にし、最後に繋ぎ合わせていってひとつの物語の流れにしていく、というものです。思いついたところから書いていくので、最後らへんになるとまるでパズルのピースを繋ぎ合わせるような書き方をしています。頭から順に書いていくわけじゃないんですね。

 書き殴りの下書きファイルには、様々な描写の単語がざっくばらんにばら撒かれています。子供の頃の全然整理されてない玩具箱のようです。ボツになった案もこの箱の中に放置されています。

 後で調べてみると、それらの書き殴りだけでも1000文字近くありました。『アンカーボルトソング』の内容を使えないかと四苦八苦していた様子が恥ずかしいほど伝わってきます。

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 "離れる瞬間のダイヤモンドリング、煌めき"

 そう、この文言がきっかけで、第三章のコンセプトが決まったんです。

 第二章にて、ついに重なり合ったふたり。第三章はその後のお話。この時間経過を、皆既日食の過程になぞらえ、「食の最大(食甚)後のふたりは離れゆくだけなのか?」をテーマに描くことを決めました。第一章、第二章の情景描写をオマージュしつつ、それまでには無い視点で、甘奈ちゃんと甜花ちゃんの感情の揺れ動きを表現しました。

 ただ、本シリーズで印象的な表現としている○○○○(重要な部分なので伏せています)の語りでは、第三章の最後に、第一章とは真反対の事を書いています。ここは設定を忘れたわけではなく、敢えてこれまでの流れを否定させています。ふたりにとっての"奇跡"は、重なりを通じて"必然"へと変わっていったという意味を込めて。

 

 実は、このエピローグは当初想定していなかったもので、執筆開始直前のある出来事がきっかけで無理やりブチ込みました。何があったかというと。

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 同衾じゃん。

 "隣に大好きな人がいるから眠れない"って言ってふたりで寝不足になる大崎姉妹、大胆な告白ってレベルじゃないよ?

 このコミュ、実は今年7月に実装された忍者甘奈の第三コミュです。あのカード絵でこんな激ヤバシチュ来るとは思わないじゃん。一回も立ち絵出ないで天井の絵しか流れないんですよこれ。全部ご想像にお任せしますってか?やってるよ公式。

 こないだの283フェスでは突然あまてん告白してるし、こんなコミュ出してるし、これでキスしてないほうがおかしいでしょ

 頭破壊されたのでそのお話を追加しました。結果的にすごく綺麗にまとまったので良かったです。大崎姉妹は幼少期からおやすみのチューはしてる。これはガチ。

 

本のタイトルについて

 『Orbital-』。本誌のタイトルです。

 なぜこの英単語を選んだのか、なぜ形容詞なのか、という最たる理由はあとがきに書き記しました。その時に書けなかった"残りふたつの理由"を、ここでお伝えしようと思います。

 本誌のネタバレはありませんので、読んでいない方もご安心ください。

 

 まずひとつは、表紙絵とリンクさせるため。先頭の大文字"O"を皆既日食の様子になぞらえています。本誌を象徴するテーマなので、どうしてもタイトルにこのアルファベットを入れたかったんです。

 ふたつ目は、勘のいい方なら気付いていたかもしれません。

 "TENKA. O"、"AMANA. O"と書けば、わかった方もいらっしゃるでしょうか。

 『Orbital』、この英単語のスペルには甜花ちゃんと甘奈ちゃんのイニシャルが含まれています。だから形容詞なんですよね

 タイトルについて考えていた時から、そういう単語にしようと決めていました。ここまで本作品にピッタリな単語は、自分の知っている限りでは思い付きません。義務教育って大崎姉妹を表現するためにあるんですね。

 このような意図した言葉遊びは本文中にも数多く散りばめています。ぜひ探してみてください。

 

 

消費者から生産者になるまでのジャーニー

 ここからは私個人についてのお話です。興味無い方は次の節まで飛ばしてください。
普通のオタクだった一般消費者が、本を出すほど創作に打ち込むようになった経緯です。

 

 

 

 

二次創作との出会い

 私が決定的にオタクの道に進んだ原因理由は、中学卒業間際のときに友人から薦められたとある魔術の禁書目録です。彼は当時の最新巻(新約8〜9あたり?)まで保有していて、なんと全部貸し出して布教してくれました。3ヶ月ちょいで読破してどっぷりハマりました。

 当時はスマホも出始めましたが私はまだガラケーで。不慣れなネットの海を漂って当麻の考察とかを探し彷徨っていました。そんな時に検索エンジンに引っ掛かっちゃったんですよね。

「上琴ss……?」

 それが、初めて二次創作との出会いでした。

 原作には絶対に無いような展開、しかも原作者ではなくファンがそれを産み出している。カルチャーショックでした。

 多感な高校生になった私は、そういうカプ系のssを読み漁ることになります。ちょうど当時は上琴・通行止め・浜滝の主人公格カプがあからさまに描かれていたので、そういう話がもっと読みたいって願っちゃったんですよね。ネットには私の欲求を満たしてくれる宝が眠っていたんです。原作も十分に尊重したうえで、二次創作も楽しむ。今の今まで続くコンテンツへの向き合い方は、この時すでに形成されていきました。

アイマスとの出会い

 確かあれは高校2年の冬。学校帰りの買い食い、マックでたむろしていた時のことです。

「ボタ餅スクフェスやってたよね? リズムゲームならこれやってみてよ」

 中学以来の親友、夜夜中さりとて君から不意に渡されたスマホには、デレステの画面が。これが初めてアイマスに触れたきっかけです。

 ゲーム自体も面白いし、様々なアイドルの魅力に惹かれ、それまでに無いほどどっぷりハマることになりました。デレアニを観てAsterisk多田李衣菜前川みく)を担当にする(このときはまだこの言葉を使ってた)と決め、部活と勉強以外の時間を彼女たちに注ぎ込むことになります。

 で、この頃ちょうど二次創作に関する自分の趣味嗜好が変わり始めていきます。具体的に言えばNLだけでなくGLも読み始めていったんです。十中八九プリズマイリヤのせい

 Asterisk、"みくりーな"はアニメでのお互いのやり取りがすごく好きで、その影響かPドルではなく百合ssの方を選り好むように。しかもきらら系列作品も読むようになったのでGL好きが加速してしまいました。こうして今日に至るバケモノが生み出されてしまったわけです。

はじめてのそうさく

 話は変わるのですが、2016年のエイプリルフールにモバマスにてこんなものが催されました。

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 『シンデレラパーティ〜ドリームステアウェイ〜』。例えるならアイマス聖杯戦争です。

 詳細はニコニコ大百科を参照してみてください。

dic.nicovideo.jp

 当時Fateに触れていた私にとってドンピシャに刺さる題材で、しきりにオリジナルのシンデレラ&アイドルのペアを妄想していました。

 ちょうど1年後、ドリームステアウェイは4月1日に再び復刻することになります。

 そのときの私は、高校を卒業して、まもなく大学生になる猶予期間。余りある時間を使ってじっくり読み込み、その世界観を楽しみ尽くしました。

 そのおかげで、それまでの妄想がさらに鮮明になって、自分で詳細な設定も思いつくようになって。当時いちばん好きな"みくりーな"がシンデレラパーティに出たら……と考え続けていて、ついに「自分も二次創作をやってみたい!」と思うようになったんです。

 絵心は壊滅的なので絵は初めから候補に無く、やるとすれば普段から読み漁ってある程度の知識があるssとなります。タイミング的にも、高校時代と違って自由な時間がトンデモなく爆増する大学生。その特権を存分に使ってじっくり考え込みながら書くことができました。

 

(実はssを書くのはこれが初めてじゃなくて、極々一部のリア友だけが知ってる黒歴史があるのですが、ここで書くことさえも恥ずかしいレベルなので伏せたいと思います)

 

 2018年2月、pixivに初めてのss投稿を果たします。

www.pixiv.net

 3 5 0 0 0 字

 書きすぎちゃった。

 今見ると文法とか表現とかが荒削りで酷くて恥ずかしいのですが、それでも一所懸命に書いた証なので大事な作品です。経験ゼロからイチに踏み出した、大きな一歩でした。

間接的な即売会デビュー

 そこから"みくりーな"を書き続ける……と思いきや、しばらくはミリオンライブのお話を書き続けることになります。この頃になるともう手遅れになっていて百合しか見なくなっていました(雑食なのでNLやBLは嫌いというわけではないです)。

 当時、大学のアイマス研究会に属していたのですが、そこで私は大きな転換期を迎えます。先輩の紗代子P、横山さんとの出会いです。この方は歌織さんと紗代子のカプ、"かおさよ"を推している方でした。布教を受けお話をしてその考え方・解釈に感銘を受け、ssを書いてみることに。

www.pixiv.net

 めっちゃ喜ばれました。

 pixivだとゼロ件だったんですよね、"かおさよ"。ほんとにマイナーカプで。だからこそ、「創作者が増えた!」と横山さんにめちゃくちゃ喜ばれたんですよ……。

 今までの創作って、自分がやりたくて自分のために書いていたので、誰かに喜んでもらうために書くって経験は新鮮でした。その前に1個友人のために"いくとも"書いたのもあって、こういう楽しみ方もあるんだな、って。

 そしてそのまんまの勢いで、マス研の合同誌に"かおさよ"ssを寄稿。その冊子は2018年開催のコミケ94で頒布されました。会場に行くことはありませんでしたが、自分の作品が初めて即売会で取り扱われ、間接的なデビューを果たしたのでした。

葛藤

 長らくミリに浸かっていた私でしたが、2019年の春、大学生活いちばんの衝撃と言っても過言ではない出来事によってデレに引き戻されることになります。

 イベント『Fascinate』開催、VelvetRoseとの出会いです。

 顛末は過去のブログで散々散々語っているので、ここでは割愛。

bota-ohagi.hatenablog.com

 私ってキャラクターやストーリーの裏背景とかを考察して妄想して解釈して語り合うのが大好きな性分らしいです。だから背景がクソ重いVelvetRoseもとい"ちと千夜"は刺さっちゃったんですよね。

 ブログでも書いたことあるんですけど、このふたりに関しては一時期ほんとに"担当"として色んな人に知ってほしいと頑張りました。ssを書いたのも、もちろん書きたいって欲が根底にあったからなんですけど、私自身が彼女たちを理解するため、彼女たちの良さを世間に伝えるためでもありました。

 マス研の合同誌にはVelvetRose考察を寄稿し、Twitterには毎日千夜ちゃんのスクショを挙げ、フラスタ企画も立ち上げて、ssも書いて。好きなふたりを応援したい気持ちの一環で、創作活動も頑張っていた、という感じです。

 

 でも。

 

 自分にとって悔しい、というか、かなりショックなことが起こりました。

 

 本当は書くか迷ったんですけど、今回歌姫庭園に出る上で重要な要因のひとつなので、書いちゃいます。清算したいし、時効だし。

 

 ここから先は結構醜いというかネガティブなことをぶっちゃけるので、読む場合は自己責任で。

 

 

 

 

 とあるリモート飲み会で、二次創作について語る機会があったんです。ある界隈の創作者の集まりみたいな会だったんですけど。

 とある方、Aさんとしましょう。その人が不意に高らかに話し始めたんです。

 「同人誌ってのはね、長すぎても売れないんですよ。表紙絵と読みやすい量かで手に取ってもらう機会は決まっちゃうんです」

 同人歴は長いと前置きしてからの発言だったので、経験に基づくアドバイスのつもりだったのかもしれません。そのときは私は即売会に出ることなんて微塵も考えていなかったんですが。

 「回りくどい表現とかだとどうしても文章は長くなるじゃん、それじゃ買おうって思われなくて、人気の出る作品って簡潔に楽しいって思われるやつなんです」

 Aさんはそのコンテンツでも古参で、即売会でも合同誌やイベント事を取り締まるほどの立場。実績も経験もあるからこその言葉なのでしょう。お酒が入ってたからつい喋ってしまったことかもしれません。

 でもそれは、私自身の活動指針――長い文章でもじっくり書き上げて、楽しませたい、自分自身がそのキャラクターを理解したいという姿勢を真っ向から否定する形でした。もちろん同人の向き合い方は人それぞれですから、Aさんの考えも尊重すべきで。商業的に何年もやってるからこそ辿り着いた手法ですし。こちらは知識も経験も実績の無い人間なので、何も言えなくて。

 ただ、自分自身も、見られたくて書いていた節は確かにあるな、とも思って。私がAさんに嫌悪感を抱いたのは、すなわち「自分も同じことをやっているのではないか?」と自問して自己否定するのと同義で。

 そしたら急に、自分のやっていることが嫌になってしまったんです。創作自体が。その人がキャラクターを利用しているように感じてしまったことが、すなわち自分も承認欲求のために同じことをしている、と思ってしまって

 結局、その通話グループも、その界隈自体からも離れてしまいました。お酒の席でロクなことないなコイツ(←先月会社の飲み会でパワハラに遭った人)

 同時に、アイマスで"担当"って言葉も使えなくなりました。自分にはそれを使う資格が無い、実際は自分の欲求のためにアイドルを利用していただけだ、と。人それぞれだから自由なんですけどね。

 で、もう筆を折ってしまおうか、と本気で考えて。過去の作品も全部消そうかな、とさえ思ってしまって。

 

 そんなときに、あの物語がやってきたんです。

 

 

大好きという感情

 

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 大崎姉妹G.R.A.D.編。

 2年間の課題を全て解決したと言っても過言では無いサクセスストーリー。

 そもそも私は、サービス開始直後から大崎姉妹のふたりにゾッコンで、尋常じゃないほどの"大好き"の感情を向けていました。それも、それまでの"担当"って言葉より"推し"という言葉が似合うくらい、純粋に好きで。命を救われるレベルで好きなんです。

 具体的に救われた理由は↓こちらを読んで頂ければわかります。

bota-ohagi.hatenablog.com

 

 その頃には3つほど大崎姉妹のssを既に書いていて、不思議とそれらを消す気にはなれなかったんです。書き上げたことが純粋に自分の中での思い出になっていて、宝物だと感じていて。

 その後も、10〜11月のMUSIC DAWNや、『流れ星が消えるまでのジャーニー』を観て、心の底からシャニマスが大好き、アルストロメリアが大好きって思えて。

 そしたら、沸々と湧き上がって来たんです。「また書きたい」って。お話を考えたいって。

 ようやく気付きました。誰に言われたとか、売れるとか売れないとか、承認欲求がダメだとか、そういうのじゃなくて。純粋に、やりたいからやればいいんだ、って。二次創作は自由。どんな理由や目的があったっていい、って

 売るため、知られるために作るのも良いし、推しカプを布教するために作っても良い。長くても短くても、どんな形式でも、それぞれに良さがある。法やルールに抵触するのを除けば、やっちゃいけないなんて決まりは無い、って、思えたんです。それも、コンテンツが好きだから大崎姉妹が好きだから、思い出せたことなんです。

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 "流れ星が消えるまで"
 "一緒に、少しだけ旅をしよう"

 これを見たときに、天啓の如くアイディアが降り落ちて来ました。純粋に書き上げたいという欲に従って、私は再び筆を取ります。

 制作期間、二ヶ月。大崎姉妹への大感情と感謝を込めて出来上がったのがこの作品です。

www.pixiv.net

 『そらに願いを』。今回の本のメインとなった作品。

 私自身、これまでの創作物で最高傑作だと思える大切な作品になりました。

 同時に、自分の創作スタイルをようやく確立出来たような、えも言われぬ達成感のような……

 初めて創作をしたあの日から、ここまで来れたんだ。そうしみじみ思った、2020年大崎姉妹誕生祭でした。

ついに生産者へ

 大学を卒業し、ついに社会人になった一般成人オタク。想像していた以上に貯まるお賃金に目を輝かせ、生まれた金銭的余裕を存分に活用できる挑戦を思い付きます。

「即売会に出てみたい!!」

 委託でも、寄稿でも無く、自分自身の本を作ってサークル参加したい。それは、今まで知り合った絵師さん・サークルさん達への憧れと、いち創作者としての探究心から来る感情でした。

 そして、1年前の、「長すぎても売れないんですよ」という、あの言葉の真偽を確かめたくなったんです。でも、Aさんより売りたい!ということではありません。元から利益を得る気は1ミリもありません。Aさんと私とは、そもそも別の土俵だからです。

 競ってるわけじゃなく、自分もお金を得たくなったわけじゃなく。「これが自分の創作スタイルなんだ」と自信を持って言えるようになるために、「これが自分にとってのコンテンツの楽しみ方だ」と示せるようになるために、出るんです。

 だからこそ、全身全霊を以て作りました。新卒1年目から4ヶ月連続残業40時間超えるとは思わなかったけどお金はたっぷりあったので、湯水のように注ぎ込みました。全ては、自分が納得出来る最高の本を作るため!

 

 11月20日、ちょ古っ都工房様から、本が届きました。

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 夢のようでした。

 作家さん達は皆仰っていました。「実物の本が手に入ると、ひとしおの達成感が得られる」と。「自分の本を見たいが為に本を作る」と。初めて自分の本を手にしたときの私の感情も、まさにその通りだったのです。

 

 中学生の頃、ルーズリーフに手書きで作った黒歴史から、目の前にある美しい冊子へ。

 ただのオタクでしかなかったいち消費者が、カタチとしての創作者、生産者になった瞬間でした。

 

嬉しい誤算

「実際問題本はどれくらい頒布出来たのか?」

 これをお話しするのは野暮なことですが、敢えて書いてしまいたいと思います。

 正確な冊数は伏せますが、

 自分が思ってたより2、3倍受け取ってくれました。

 半分以上余ると思ってましたもん。その場で多くの人に手渡しできる喜びを体験できるとは思いませんでした。あっ、通販完売はマジの誤算

 いくら自己満足とはいえ、多くの人に手に取って貰えるのはやはり嬉しいです。うぬぼれかもしれませんが、お金を出してでも読みたいと思っていただけたこと、いち作家として誇りに思います。

 そして感想をいただけることが、こんなにも嬉しいとは……めちゃエゴサしちゃいました。許してください。本当に嬉しかったんです。書いた甲斐があったなぁ、感情を共有できて良かったなぁ、って。そういうのも、「また書きたい」って思える原動力だと、改めて感じました。


助けられて、知り合えて

 この作品は、非常にたくさんの人の助けがあって完成しました。決して私ひとりの力では出来ませんでした。ここで、関わってくださった方への感謝を述べさせてください。

 

 まずは何よりも、イラストを担当してくれたYUMiさん。非の打ち所がない最高の絵を描いてくれました。ありがとうございました!!

 章タイトルを担当してくれた夜夜中さりとて君。彼自身も同日『文学フリマ』にて歌集を出す身にも関わらず、快く引き受けてくれました。ありがとう!!

 

 ここからはさまざまな面でサポートしてくれた方々への感謝を。

 即売会参加に関する全体の流れ及び準備物を事細かく教えてくれたマッド君。

 新作の添削をしてくれたタイソンさん。

 成人指定の判断で協力してくれたまとんさん。

 小説作品の作成、入稿に関してアドバイスをくれたREXさん。

 頒布物の構成についてアドバイスをくれたレインさん。

 歌姫庭園当日にスペース設営その他作業を手伝ってくれたぴぃ高さん。

 皆さん、ホントにホントにありがとうございました!!!

 さらに、今回の参加で知り合うことができたサークルさん、作家の皆さん。普通のオタクに毛が生えた程度の自分が、皆さんと同じステージ(???)に立つことができてとても光栄でした。アグネスデジタルの気持ちがとても良くわかりました。仲良くしてくださって、交流してくださってありがとうございました…!!

 そして、283プロクリエーター部の皆さん。1年半も前から所属していましたが、通話など活動に参加するには自信が足りず、ずっと傍観者でいたことを申し訳なく思います。今回のことをきっかけに、皆さんとの距離がグッと近くなってとても嬉しかったです。宣伝もありがとうございました!これからもよろしくお願いします!

 それから、ラウンジ『Venus!』の皆さん。何度も心が折れかけてた私を励ましてくれて、煽り馬鹿にしつつ書くことを焚き付けてくれてありがとうございました!今後も"""友達"""として、よろしくお願いしますね^^

 

 最後に、直接関わったわけではありませんが、どうしても感謝を伝えたい人がいるので書かせていただきます。

 私が大崎姉妹の二次創作を書く上で、非常に大きな影響を受けた作品があります。

www.pixiv.net

 やつはしかけらさん(@LNAR_4)。この方の大崎姉妹の解釈と作品を読んで衝撃を受け、「いつかこの方のようなssを書きたい」と思ったのが、甘甜(甜甘)を書き始めたきっかけのひとつです。

 私がこれまで書いてきた、甜花ちゃんと甘奈ちゃんの互いへの気持ちの解釈、その根底には、やつはしさんの深い考察に基く仮説が存在します。この方の作品を読んでいなければ、今回頒布した本、それどころかssすらもそもそも存在しなかったかもしれません。大袈裟では無く、本当にそうなのです。だからこそ、この場を借りて感謝を伝えさせてください。素晴らしい作品と解釈を、ありがとうございます!!

 

www.pixiv.net

この『宇宙漂流』シリーズは、私が今まで読んできた二次創作ssの中でも"最高"の作品と断言できる作品です。ぜひ読んでみてください。なんなら私の本より読んでください。マジスゴイので。

 

終わりに

 最後まで怪文書クソ駄文自分語りゴミ文章にお付き合いくださりありがとうございました。お見苦しいところ多々あったかと思いますが……赤裸々に語らせていただきました。中身見て幻滅させてしまった方はごめんなさい……。

 普通の人間でも、こういう場に立てるものなんだなぁとしみじみ感じました。とにかくずっと楽しかったです……初体験のことばかりで終始ワクワクしていました。

 この経験がいつかまた活きる時が来るかもしれません。その時は、さらにより良いものが作れたらなぁと願っています。まずは今後、どんなものを書くか考えるところからですね。

 私事ですが、仕事がバカ忙しいので……歌姫じゃないにしても、pixivに投稿する作品すら作るのはいつ???という感じです。それでも、自分のペースでゆっくりじっくり、妄想をカタチにしていきたいと思います。

 あわよくば、今回の作品について感想などいただけたら嬉しいです。すごくすごく励みになります。

またいつか、即売会の場で皆様に会えることを願って、筆を置かせていただきます。

 

 

 

 

 


p.s.

お願い!!クリパ行かせて!!頑張ったから!自分頑張ったから!!

 

Pカップ頑張ったから!!

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Daルストでグレフェス頑張ったから!!

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聖地巡礼したから!!

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本も出した!!やれること全部やったから!!お願い!!!

 

 

 

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おわれ